2階建て以上の住まいでは、天井の高さによって圧迫感が生まれてしまう場合があります。

そんな圧迫感を解消するために取り入れることの多いのが「吹き抜け」
上下階の一部をつなげることで、開放感を生み出すことができます。

今回は吹き抜けのメリットとデメリットについて、この記事で解説していきます。

吹き抜けがあることによるメリットをまず確認していきましょう。

メリットとしては、

• • 開放感を生み出す
  • 自然光を取り入れやすい
  • 家族間のコミュニケーションが取りやすい

以上の3つがあります。

それでは一つずつ確認していきましょう。

・開放感を生み出す

吹き抜けを設けることで、上下階がつながり天井が高くなります。
そのため開放的な空間を生み出すことができます。

上下の視界が大きく広がることにより、圧迫感がなくゆったりとした空間に感じれるでしょう。

・自然光を取り入れやすい

吹き抜けを設けた場合には、2階など上部に窓を設置することが一般的です。
高い位置からうまく光を取り入れることにより、部屋の奥まで光が届くため、部屋全体を明るくすることが可能。

狭小地や隣家との間隔が狭いなどのケースで、1階の窓から光を取り込むことが難しい場合であっても、吹き抜けを設けることで自然光を十分に取り込むことが出来るでしょう。

・家族間のコミュニケーションが取りやすい

吹き抜けは上下階がつながっているため、上下階でのコミュニケーションが取りやすくなります。

2階に居る家族に声をかける場合など、わざわざ階段を上がる必要はありません。
1階のキッチンやリビングから声をかけることができます。

吹き抜けはどの場所からも声がかけやすく、家族間の会話やコミュニケーションを取る機会が増えることで家族のつながりが感じやすくなるでしょう。

開放感を生んだり、ゆったりとした雰囲気を演出できる吹き抜けですが注意すべきポイントがあります。

吹き抜けのデメリットについても確認していきましょう。

デメリットとしては、

• • 光熱費が高くなる
  • 上階部分の床面積が狭くなる
  • ニオイや音が伝わりやすい
  • 掃除しづらい

以上があげられます。

・光熱費が高くなる

吹き抜けは上下階をつなげているため、縦の空間が長くなります。
その影響により冷暖房効率が下がってしまうといえます。

暖かい空気は上にいく性質があるため、冬場の1階部分の温度が下がります。
夏場では、吹き抜け上部の窓から入ってくる陽射しが強く、室内の温度が上がりやすくなります。

部屋全体の温度環境を整える必要があり、エアコンの使用時間が増えるため電気代が高くなる結果となります。

・上階部分の床面積が狭くなる

吹き抜けがある場合、必然的に上階部分については床面積が狭くなることになります。

建築面積が少ない住まいの場合、上階に収納スペースを十分に確保することができなかったり、部屋の数や広さを確保することができないことがあります。

・ニオイや音が伝わりやすい

吹き抜けは家族間のコミュニケーションが取りやすい反面、会話など生活音が聞こえやすくなるため、プライベートな空間の確保が難しくなるでしょう。

家族の生活スタイルや就寝時間に異なる場合や、二世帯住宅の場合は注意が必要となります。

また、ニオイについても音と同様に届きやすいため、食事のニオイなどが上階に届く可能性が高いといえるでしょう。

・掃除しづらい

吹き抜けの場合、縦の空間が広くなるため、窓やシーリングファン、照明が高い位置にあるため手が届きにくく掃除が大変になります。

高い位置にあることで、手軽に掃除できず、頻繁に掃除することは難しいでしょう。

デメリットがある吹き抜けですが、開放感のある空間を生み出したりと魅力を感じる方は多いでしょう。

デメリットを軽減するために、以下について確認してみましょう。

・寒さ、暑さ対策

吹き抜けが設けられた部屋は、冷暖房が効きづらくなります。
当然、対策されていない場合、夏の暑さと冬の寒さが際立ち、電気代が高くなるため負担が大きくなります。

そのため、断熱性能や気密性能が高める対策が取られているといいでしょう。

断熱性能を高めることで、外気に面する断熱をしっかりとられ熱の移動が小さくなります。
また、気密性能を高めることで家の隙間を少なくなり、熱の出入りが抑えられるため温度環境が一定になりやすいという効果が得られます。

天井にシーリングファンなどを設置し、空気を滞留させず循環させることで温度を上下で均一にすることが上下の温度差を解消してくれるでしょう。

・高い場所の掃除方法

縦の空間が広くなる吹き抜けでは、高い位置に設置された窓やシーリングファン、照明などは手が届きにくいため掃除が大変になります。

柄が数メートルに伸びるワイパーやモップなどの高所に対応し掃除道具を活用することで、掃除をすることができます。

もちろん、脚立を用意することで掃除することも可能ですが、高所の作業になるため危険な場合もあります。
専門の業者に頼むことも一つの方法でしょう。

・照明の種類

吹き抜けを設けた場合、ペンダントランプなど照明器具は高い位置に設置されること多いです。

電球や蛍光灯の交換についても、先に述べた掃除同様大変な作業です。
脚立を用意しても、自力での交換が難しい場合もあります。

そのため交換頻度を減らす方法を採用してはいかがでしょうか？
LEDを利用した電球や蛍光灯を使用することで、交換費度を減らすことができます。

また間接照明を利用することで、高所に設置する照明の数を減らすことも工夫とひとつです。

開放的な空間を生むなど、吹き抜けには魅力的な点があります。
一方で冷暖房効率低下などのデメリットもありますが、対策を取ることで軽減することが可能です。

自分たちの生活に吹き抜けが必要なのか？デメリットへの対策は可能なのか？

今回の記事でご紹介したメリット・デメリットを踏まえた上で、ご家族でしっかり話し合ってみてはいかがでしょうか。